106157 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

お茶かけごはん と ねこまんま

お茶かけごはん と ねこまんま

戦慄

戦慄


 「悪徳商法」で検索してすぐに掲示板サイト「悪徳商法?マニアックス」が見つかった。
 さまざまな悪徳業者に騙された人々が、そこに投稿して親身になった答えをもらっている。

 業者名を入力して検索すると、今までに書き込まれた記事からそれが悪徳業者か判断できる。
 検索しても、「該当する記事がありません」と出てくれば、とりあえず現時点では悪徳業者として認知されていないということになる。

 私は恐る恐る自分が契約している会社の名前を入力した。検索ボタンを押すと…。
 出るわ、出るわ、100件以上もの書き込みがその会社に関してされていたのだ。思考回路が停止するというのは、ああいう事だと思う。ひょっとしてと思っていたにも関わらず、それが現実のものとなって目の前に突きつけられたとき、耳の奥でツーンといやな音がして、頭が真っ白になった。

 気持ちを落ち着けて、記事を一つずつ読んでいく。
 私と同じ目に遭っている人たちの、悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。
 すでに契約してから一年近く経っているのに、試験に合格できない人。合格したが仕事が入らない人。解約したいと言ったら、契約した金額の何倍もの違約金を請求された人。読めば読むほど、奈落に落ちていくようだ。
 が、そういう書き込みにつけられたアドバイスは、決して悲観的なものではない。「負けるな、負けるな」「戦え、戦え」というメッセージとともに、解約に向けて具体的な方法や相談先を教えてくれているのだ。
 そして、「無事解約できました!」という書き込みも…。

 参加していたSOHO系のMLにも相談を投稿してみた。すると、直メールで体験談を教えてくれる人がいた。同じような会社との契約を、無事解約できたという。
 私は俄然闘志が湧き出るのを感じた。

 よし。
 解約してやるぞ。悪いのは相手だ。違約金も解約手数料も払わずに、解約してやる。

 それまでHTMLの習得に注いでいたエネルギーをそのまま悔しさに変えて、闘魂を燃え上がらせた私は受話器を握った。
 電話の先は「消セン」―そう、消費者センターだ…。


もくじへ戻る


© Rakuten Group, Inc.
X